ホンダの新型フィットは、持ち味の居住性や使い勝手を先代モデルから受け継ぎながら、走行性能や安全性が向上しました。
そんな新型フィットですが、内外装や装備、パワートレインなどに欠点・デメリットはあるのでしょうか?
ここでは美点・メリットも含め、新型フィットを徹底評価します!
新型フィットを評価!欠点、デメリットはあるのか
フィットのエクステリアの欠点は?
新型フィットのエクステリアデザインは、視界の良さにこだわって設計されています。
しかしCピラーは結構太いので、斜め後方視界はいまひとつです。
リアウィンドウの角度が立っているのに、クォーターウィンドウの角度が寝ているため、結果としてCピラーの上側が太くなっています。
カッコよさを追求するために、このようなデザインにしたのだと思いますが、どうせなら斜め後方視界も徹底追及して欲しかったですね。
新型フィットのインテリアの欠点は?
インパネ回りなど
新型フィットは先代モデル同様にフロアシフトを採用し、センターコンソールが付いています。
しかし、このセンターコンソールが運転席の足元スペースを狭くしています。
フィットは居住性の良さや開放感が売り物なので、フロアシフトではなくインパネシフトにして、センターコンソールを廃止した方が良かったのでは?
そうすることで足元が広くなり、ドライバーはもっと開放的に気分に浸れるはずです。
シート&居住性
フィットの後席は、頭上のスペースに関しては余裕タップリとはいきません。
ルーフのラインが後ろ下がりになっているため、後席の頭上スペースにしわ寄せがきています。
よほど大柄な人でない限り、頭が天井にくっついてしまうことはありませんが、それでも閉所感は否めません。
ミニバンや軽トールワゴンから乗り換えると、余計にそう感じるでしょうね。
また先代フィットのいいところだった後席リクライニング機能が、残念ながら新型フィットでは廃止されてしまいました。
後席の乗員がくつろぐために有効な機能だったので、廃止は残念です。
荷室&収納スペース
新型フィットは、先代モデルから多彩なシートアレンジを受け継いでいます。
助手席のシートバックを倒すロングモードなら、長尺物も余裕で搭載できることは、ライバル車に対する大きなメリットです。
しかし大きな段差ができてしまうので、使い勝手はイマイチ。
たとえばスズキ・ハスラーのように完全にフラットにできれば、使い勝手がさらに良くなりますし、車中泊も可能になります。
ロングモードはヤリス、ノートなどのライバル車にはない機能なので、欠点と決めつけてしまうのは酷かもしれませんが、折角ならもう一工夫欲しかったですね。
新型フィットのパワートレインの欠点は?
新型フィットのハイブリッドシステムは、「e:HEV (イー・エイチ・イー・ブイ)」と呼ばれるシリーズハイブリッド方式の一種です。
通常はエンジンで発電した電力でモーターを駆動、EVとして走行し、高速走行時はエンジンでタイヤを駆動して走行する、という切替を行います。
三菱・アウトランダーPHEVに近い方式、と言えばイメージがわくでしょうか?
このe:HEVは十分に完成度は高いのですが、ガソリン車のATのようにステップを刻みながら (モーターの回転を上下させながら) 走行する制御になっています。
先代フィットハイブリッドのトランスミションは7速DCTだったので、乗り換えても違和感のないよう、このような制御にしたのでしょう。
しかし、モーター走行は変速なしでシームレスに走れる点が魅力でもあるので、わざわざステップ付にする必要があったのでしょうか?
ちょっと余計なお世話のようにも感じてしまいますね。
一方、ガソリン車の1.3Lエンジンは基本的に先代からのキャリオーバーで、特にパワフルではないため、山道の上りや高速道路での追い越しはあまり得意ではありません。
先代にあった1.5Lエンジンが廃止されてしまったので、パワフルな走りを望むと高価なハイブリッド一択となるのがちょっと残念。
新型フィットの走行性能の欠点は?
新型フィットはハンドリングが優れていますが、先代モデルのようなキビキビ感が薄くなり、安定志向になりました。
フィットのキャラクター (どちらかと言えば癒し系) に合ったセッティングなので、これが悪いとは言いませんが、先代モデルから乗り換えたユーザーには物足りないかもしれません。
また、一部のグレードにVGR (可変ステアリングギアレシオ)を採用していますが、ステアリングフィールの自然さではVGR非搭載グレードに劣ることも、少し残念ですね。
フィットの装備面の欠点は?
寒い日のドライブを快適にする装備、運転席&助手席シートヒーターは、使ってみると予想以上に有難みを感じるものです。
このシートヒーターは、今や軽自動車でさえ標準装備またはオプション設定される車種・グレードが増えています。
しかし、新型フィットで運転席&助手席シートヒーターが標準装備されるのは、何と最上級グレードのリュクスだけです。
しかも、他のグレードではオプションで付けることさえできません。
快適装備の一部が軽自動車より貧弱なのは、悲しくなりますね。
フィットの安全性能の欠点は?
新型フィットの予防安全装備「ホンダセンシング」の機能はかなり充実していますが、惜しいのは車線変更時に斜め後方の死角にいる車両を検知する機能と、後退時に後方左右から接近する車両を検知する機能が標準装備されないことです。
この2つの機能はマツダ 2には標準装備され、ヤリスにもメーカーオプション設定されています。
フィットの場合、ディーラーオプションの「リアカメラdeあんしんプラス2」にこれらの機能が付いているのですが、純正ナビの装着が前提になるため、かなり高くついてしまうのが難点。
コストの問題で標準装備は難しくても、せめて純正ナビの装着に関係なくオプション設定して欲しいですね。
新型フィットのグレード体系・価格面での欠点は?
フィットの最廉価グレードはベーシックですが、何とこのご時世にホンダセンシングが付かない仕様が設定されています。
アクセルの踏み間違いなどによる事故が社会問題化している昨今、予防安全装備が付かない仕様をわざわざラインナップするのは問題です。
営業用など、少しでも安く新型フィットを買いたいユーザー向けなのかもしれませんが、やはり安全装備を省いてしまうのはいただけませんね。
それと、スポーツグレードのRSがカタログ落ちしてしまったのは、やはり残念。
先代フィットRSに乗っていた走り好きの人が、新型フィットに買い替えようにも欲しいグレードがない、という状況になっています。
GRヤリスまではいかなくても、マニアが喜ぶようなスポーツグレード (たとえばシビック用の1.5Lターボエンジン搭載の) を追加して欲しいですね。
また価格面では、先代フィットよりも価格帯が若干上がってしまいました。
完成度が上がっているので仕方ない面もありますが、コンパクトカーは価格の安さも魅力のひとつなので、少し残念です。
新型フィットを評価!いいところは?
フィットのエクステリアのいいところは?
先代フィットはキャラクターラインを多用した、ガンダムチックなエクステリアが特徴でした。
初代フィットの機能美が薄れ、ガチャガチャしたイメージだったので好き嫌いが分かれたと思います。
しかし新型フィットでは、初代並みかそれ以上にプレーンでスッキリしたデザインに変貌しました。
また、キツイ印象だったフロントマスクも、柴犬をコンセプトにしたマイルドな顔にイメージチェンジ。
エクステリアの雰囲気は、かなり良くなりました。
おそらく先代よりも新型の方が好き、という人も多いのではないでしょうか?
新型フィットのインテリアのいいところは?
インパネ回りなど
フィットのインパネは、水平基調のスッキリしたデザインになっています。
先代フィットのゴチャゴチャしたインパネと比べ、ずっと見栄えが良くなりました。
また、ステアリングホイールが3スポークから2スポークに変更されたことも、スッキリ感に貢献しています。
このフラットなインパネと細いAピラー/A´ピラーのおかげで、前方視界も抜群です。
運転席からボンネットは見えないものの、前方の死角が少ないので、初心者でも運転しやすい車になっていますよ。
シート&居住性
フィットの前席は、「ボディスタビライジングシート」と呼ばれる新設計のシートを採用しています。
人間工学に基づいた設計で、体を面で支えるため座り心地は抜群です。
単に快適なだけでなくサポート性も優れているので、ワインディングを走っても体をしっかり支えてくれます。
シートの出来は先代フィットを大きく超え、定評あるフランス車のレベルに達したと言って良いでしょう。
また、後席はボディスタビライジングシートではありませんが、クッションが厚いので座り心地は上々です。
通常、フィットのように多彩なシートアレンジを実現した車種は、後席の座り心地がイマイチのケースが多いのですが、そうなっていない点は立派。
先代フィットにあったリクライニング機構が省かれたのは残念ですが、ロングドライブ時の疲労は新型フィットの方が少ないかもしれません。
そして居住性に関しても、後席で足が組めるほどのレッグスペースが確保されているのは、ヤリスなど同クラスのライバルに対する大きなアドバンテージです。
荷室&収納スペース
フィットは元々荷室の広さや使い勝手に定評がありましたが、新型フィットにもそれは受け継がれています。
荷室開口部は先代モデルよりも広くなり、荷物の積み下ろしが楽になりました。
また荷室がほぼフラットになる点も、ライバルに対する大きなメリットです。
自転車を立てたまま載せられるコンパクトカーは、そうそうないでしょう。
また、リアシートを跳ね上げるチップアップ機能も踏襲しています。
独自のセンタータンクレイアウトを採用するフィットならではの機能で、高さのある荷物を積む時に大変便利です。
総合的に、荷室の広さや使い勝手はクラスナンバーワンと断言できます。
一方、収納に関しては特に豊富というほどではありませんが、多くの人にとって過不足はないはず。
フィットの収納の中では、テーブルコンソールがなかなか気が利いています。
バッグなどは意外と置き場に困るものですが、新型フィットはテーブルコンソールに置けるので便利です。
底面がラバーマットになっているので、加減速時にバッグが動いてしまうこともありません。
こうした小さな気配りも、嬉しいですね。
フィットのパワートレインのいいところは?
ハイブリッド、ガソリン車ともパワートレインは洗練されていて、静粛かつ振動も少ないので快適です。
ハイブリッドの加速はなかなか強力で、これなら山道の上りや高速道路の追い越しでもコンパクトカーの悲哀を感じずに済むでしょう。
一方、ガソリン車はややパンチ不足ですが、ドライバビリティは良いので、街乗りなら何ら問題ありません。
CVTにありがちなラバーバンドフィールも、よく抑えられています。
新型フィットの走行性能のいいところは?
フィットのステアリングフィールは、先代モデルの頼りなさがなくなり、しっかりした手ごたえになりました。
直進性も良く、ハンドリングも狙ったラインを正確にトレースできるので、高速道路やワインディングも気持ち良く走れます。
キビキビ感には欠けるものの、リラックスして走る分にはなかなか良いセッティングと言えるでしょう。
一方、乗り心地もサスペンションが良く動き、ストロークも十分確保されているため、先代よりかなり改善されました。
フラット感の点ではさらに上を望みたくなりますが、そこは今後の改良に期待したいですね。
新型フィットの装備面のいいところは?
フィットは、障害物に接近すると表示と警報音でお知らせするパーキングセンサーが全車に標準装備 (※ベーシックのホンダセンシング レスを除く) されます。
駐車の際、不注意により壁や他の駐車中の車にぶつけてしまう失敗を防げるのは、大きな利点です。
パーキングセンサーがオプションだと、つい「自分に限ってぶつけることはないだろう」と思ってしまい、わざわざ余分なお金を払ってまで付けないものです。
しかし、運転に自信のある人でも絶対ミスをしないわけではないので、標準で付いているのは大変良いことです。
また、最上級グレードのリュクスに本革シートが標準装備されることも評価できます。
さすがにコストの制約のためか、一部に合成皮革やファブリックも使われていますが、それでも通常のファブリックシートよりも遥かに上質です。
駐車場や周囲の道路が狭いので3ナンバー車には乗れないが、高級感は欲しいという人には、フィットのリュクスはピッタリでしょう。
フィットの安全装備のいいところは?
ホンダセンシングの機能のひとつに、歩行者とぶつかりそうになるとステアリング操作に介入して衝突を回避する「歩行者事故低減ステアリング」があります。
これは、ライバル車にはない新型フィットならではの機能です。
歩行者をはねてしまうと死亡事故につながる可能性が高いので、事故を回避する装備がひとつでも多く付いているのは、大きなメリットになりますね。
新型フィットのグレード体系・価格面でのいいところは?
新型フィットには、基本的にハイブリッド、ガソリン車とも5種類のグレードが設定されていますが、それぞれに独自の個性が与えられています。
単に装備で差を付けているだけでなく、グレードごとに持ち味が異なるので、ユーザーの幅広いニーズに対応。
特に、クロスオーバー仕立てのクロスターはなかなかユニークです。
人と違うコンパクトカーに乗りたい人には、クロスターは魅力的な選択肢になるでしょう。
新型フィットの総合評価
新型フィットは、まずエクステリアデザインが先代よりずっと洗練されました。
怒り顔の車種が幅を利かせるなか、新型フィットのような癒し系は貴重ですし、このデザインを好む人も多いのでは?
また内装デザインもとてもスッキリしていますし、質感も上々。
視界に関しても、斜め後方をのぞき大変優れています。
居住性や荷室スペースの広さ、シートアレンジの多彩さはクラスナンバーワンで、フィットを選ぶ同機のひとつになるでしょう。
シートの出来の良さも、特筆に値します。
パワートレインに関しては、ハイブリッドのステップ制御に好き嫌いは分かれるところですが、ユニットの完成度には問題ありません。
ガソリン車も無難にまとめられているので、多くの人が満足できるはず。
走行性能は、ハンドリングと乗り心地のバランスが優れています。
ハンドリングのキビキビ感や、乗り心地のフラット感にはやや不満も残りますが、大きな欠点ではありません。
装備面では、シートヒーターの設定に関しては残念ですが、それ以外は概ね満足できます。
安全装備もまずは十分なので、安心して乗れるはずです。
グレード体系の面では、スポーツグレードが無い点が惜しまれますが、個性あるラインナップは魅力的。
価格帯はライバルより若干高めですが、居住性などライバルにはない美点があるので、大きな問題とは言えません。
もし下取り車があるなら、さらに新車が安く買える
下取り車を高く売ることで、トータルでさらに新車を安く買うことが出来ます。
実は値引きよりも下取り車の方が、新車を安く買うには重要なのです。
ディーラーで査定した下取り車の価格は、かなり低く見積もられています。
何故かと言うと、再販するにしろオークションに流すにしろ、人件費や車両保管、整備等の経費がディーラーの場合非常に多く掛かってしまいます。
そのため、下取り車の査定金額は低くなってしまうのです。
反対に買取専門店なら、買取った中古車を在庫させずに、すぐにオークションに出す事が出来るので経費がディーラーより掛かりません。買取専門のため余計な経費は掛けないので、その分査定金額は高くなります。
この買取店の金額とディーラーの査定額を比較すると、平気で20万円以上安く見積もられる事があります。
ただ、自分の車の相場が分かっていないと、ディーラーの査定額が高いか安いかの判断が出来ません。
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そこでディーラーに「買取店で96万円の金額がついている」と伝えた所、95万円までディーラーの査定金額がアップしました。
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どちらに売るにしろ、ナビクル車査定はオススメできます。
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また、査定から売却契約まで電話のみで完結、来店も出張査定もないので本気の査定額が電話で分かります。
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高年式車に加えて古い車や過走行の車が得意なので、他社でいい金額が付かなかったら試してみるといいでしょうね。
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当サイトのフィット値引き交渉マニュアルです。これを見て多くの人がフィットを限界値引きで購入する事に成功しています。
今月のフィットの値引き動向を随時掲載しています。ご参考ください。