2020年11月、オデッセイにマイナーチェンジが実施されました。
パワートレインは従来同様、ハイブリッド改めe:HEV (イー・エイチ・イー・ブイ)とガソリンの2種類。
燃費が良くて専用装備があるe:HEVと、気持ちのいい走行性を持ちe:HEVよりも安く買えるガソリン車、それぞれのメリットやデメリットなど色々と比較してみました。
オデッセイ e:HEVとガソリン車の外装の違い
まず、オデッセイのe:HEVとガソリン車の外装に違いがあるのか見てみましょう。
外装デザインには違いはなく、唯一の違いはテールゲート右側のグレード名のエンブレムです。
※オデッセイ e:HEV アブソルート
※オデッセイ アブソルート
上の画像は「アブソルート」グレード同士のリアビューの比較です。
エンブレムはe:HEV アブソルートが「ABSOLUTE」と「e:HEV」の2段重ねになっているのに対し、ガソリン車アブソルートは「ABSOLUTE」のみとなっています。
ちなみに、外装とは直接関係ありませんが、ハイブリット専用の装備として車両接近通報装置が装着されます。
モーターだけで走行している時はエンジンの音がないので、静か過ぎて歩行者が気付きにくくなります。
この装備は、走行する音を発することで歩行者に車両の接近を知らせてくれます。安全性に配慮した装備です。
(※しかし、「静かさ」が売りのオデッセイハイブリッドなのに、あえて音を出す装置が必要になるなんて、何だか皮肉ですね)
オデッセイ e:HEVとガソリン車の内装の違い
インテリア装備の違いを見てみましょう。オデッセイハイブリッドのみ、ガソリンのみにそれぞれ装着される装備があります。
オデッセイ e:HEVのみに装着される装備から紹介します。
EVスイッチ
スイッチを押すと、モーターだけで走行できるようになります。
バッテリーを使って走行するため、残量によって距離は限られてしまいますが、燃費が良くなって燃料費に効果がありそうです。
また、早朝や夜間など静かに走行したい場合には有効な装備です。
100V AC電源
オデッセイハイブリッドでも最上位モデルのハイブリッド EXパッケージ / アブソルート ホンダセンシング EXパッケージのみに装着される装備です。
センターコンソールボックスの後部に装備されます。家庭で使う100Vの電化製品を車内でも使えるのは便利ですね。
電子制御パーキングブレーキ+オートブレーキホールド機能
スイッチひとつでパーキングブレーキを掛けたり解除できる、電子制御パーキングブレーキを採用。
またスイッチ操作をしなくても、パワートレインをオフにしたりシートベルトを外すと自動がパーキングブレーキが掛かり、アクセルを踏むと自動でパーキングブレーキが解除される機能も付きます。
ガソリン車の足踏み式パーキングブレーキと比べ便利なだけでなく、パーキングブレーキの掛け忘れや外し忘れを防げるなど、メリットは絶大です。
また、スイッチを押すと、ブレーキペダルを踏まなくてもブレーキが掛かり続けるオートブレーキホールドも搭載。
ブレーキを掛けて停車した後は、オートブレーキホールドスイッチを押さなくても自動で10分間ブレーキが掛かり続けます。
渋滞時に右足の負担が大幅に軽減される装備です。
次に、オデッセイのガソリン車にのみ装着される装備を紹介します。
パドルシフト
走行中にステアリングの左右の設けられたパドル (シフトスイッチ) を指先で操作すると、CVTの変速が行える装備です。
両手でステアリングホイールを握ったままシフト操作ができるので、スポーツドライブに集中することができます。
ギアは7段あるので、小まめにシフトして高回転をキープする走り方も可能です。
以上のようにオデッセイ e:HEVとガソリン車の内装は、それぞれ専用装備に差があります。
この他の内装の加飾や装備は、e:HEVとガソリン車との違いよりもグレードの差によって変わっています。
オデッセイ e:HEVとガソリン車の売れ筋グレードは?
過去3か月の中古車オートオークションの流通台数からオデッセイの売れ筋グレードを調査したところ、オデッセイのe:HEVもガソリン車も、売れ筋トップは「アブソルート・EX」となっていました。
価格に対して装備が充実しているコスパの高さが人気の理由と考えられます。
オデッセイ e:HEVの売れ筋は「e:HEV アブソルート・EX」
オデッセイのe:HEV230台中の143台が「e:HEV アブソルート・EX」で、全体の62.1%をシェアしていました。
「e:HEVアブソルート」は87台で、全体の37.9%を占めています。
オデッセイ ガソリン車の売れ筋は「アブソルート・EXホンダセンシング」
オデッセイのガソリン車70台中50台が「アブソルート・EX」で、全体の71.4%をシェアしています。
「アブソルート」は20台で、シェアは全体の28.6%です。
オデッセイ e:HEVとガソリン車の維持費を比較
比較項目 | e:HEV アブソルート・EX | アブソルート・EX(ガソリン車) |
---|---|---|
価格 | 4,580,000円(7人乗り) | 3,815,000円(7人乗り) |
価格差 | +765,000円 | |
自動車税環境性能割 (新車購入時の税金) | 0円 | 62,400円 |
重量税 (新車購入時) | 0円 | 49,200円 |
購入時の支払い総額の差 | +653,600円 | |
自動車税 (翌年分) | 9,000円 | 10,800円 |
平均実燃費 | 16.2km/L | 11.4km/L |
ガソリンタンク容量 | 55L | 55L |
ガソリンの種類 | レギュラー | レギュラー |
満タンで走れる距離 (5リッター残し) | 810km | 570km |
※実燃費は市街地や幹線道路、高速道路を含んだ平均の実燃費数値です。
ハイブリッド・ガソリン車の価格差472,300円を燃費で埋めるにはどの位掛かる?
レギュラーガソリン140円で計算
- e:HEV 16.2km/L
10,000km÷16.2≒617.3リッター
617.3×126円≒77,777円 - ガソリン車 11.4km/L
10,000÷11.4≒877.2リッター
877.2×126円≒110,526円
10,000km走ると32,749円の差がつきます。
e:HEVとガソリン車の価格差653,600円の元を取るには、
653,600円÷32,749円≒19.95万kmの走行距離が必要です。
年間1万キロペースで約20年、年間2万キロだと約10年、年間3万キロなら約6年8か月で元がとれる計算となります。
仕事や通勤ならともかく、週末に買い物やドライブに使うくらいだと年間1万キロも走ればよい方なので、e:HEVの好燃費でガソリン車との価格差を埋めるには20年も乗らなければならず、あまり現実的ではありません。
より正確にシミュレーションする場合は、自分の必要なオプションを含めた支払総額の差で計算してみましょう。
オデッセイ e:HEVとガソリン車の加速や静粛性、乗り心地の違いは?
静粛性、乗り心地、ゼロ発進加速はe:HEV
オデッセイの走りをe:HEVとガソリン車で比較すると、静粛性や乗り心地、ゼロ発進加速はe:HEVに軍配が上がります。
エンジンを使わずモーターのみで発進、若干「ヒュ~」っと電子的な機械音が聞こえるものの、普段使いではエアコンやオーディオ、ロードノイズに紛れてしまうレベルの微音で気になりません。
モーターの太いトルクでゼロ発進加速も良好、足腰の強さを感じられる気持ちの良い走りを楽しめます。
アクセルを踏み込んで時速20キロ近くなると、エンジンが作動してハイブリッド走行に入りますが、エンジンが主に発電用モーター駆動に使われるため、ハイブリッド移行時のエンジン音も静かです。
また、乗り心地も従来の評判を良い意味で裏切る向上を見せており、ちょうどいいコシのある足回りで衝撃を吸収。ガソリン車に比べて段差の突き上げも小さくなっていました。
全体的にスポーティからマイルド志向に舵を切った印象のe:HEVは、ガソリン車よりもファミリーユースに適していると言えます。
中間加速、気持ちのいいエンジンの吹け上がりと軽快なコーナリングはガソリン車
その一方、ガソリン車には巡航中の加速とドライブフィール、そして軽快なコーナリング性能といった魅力が挙げられます。
低速状態のトルクでは一歩譲ったガソリン車も、速度が乗ってきた状態での加速ではリードしており、ハイブリッドシステムを積まない車重の軽さと足回りの硬さもあって、コーナリングの軽快さも強みと言えます。
また、e:HEVでアクセルを踏み込んだ時の「ウォーン」というやや高めな電子音まじりのエンジン音に比べ、重厚な吹け上がりがガソリン車の醍醐味。
オデッセイはe:HEVとガソリン車で大きくドライブフィールや乗り心地が異なるため、特に家族がいる場合はどっちも試乗させてもらって、購入前に確かめた方がいいでしょう。
オデッセイ e:HEVとガソリン車はどちらが売れているのか?販売の比率を公開
現行型オデッセイは2013年11月に発売されましたが、ハイブリッド (現e:HEV) が追加されたのは2016年12月です。
そこで、2016年12月~2020年9月までの当サイト(クルマを買う!)で集計したオデッセイの販売台数を基に、ハイブリッド (e:HEV) とガソリン車のどちらが売れているのか、販売の比率をまとめました。
- オデッセイ ガソリン車 89,768台 70.9%
- オデッセイ ハイブリッド車 (e:HEV) 36,842台 29.1%
ガソリン車が7割強を占め、販売比率でハイブリッド車 (e:HEV) を圧倒。
多くのユーザーが、買いやすい価格設定のガソリン車を選ぶ傾向が強く現れています。
ただ、近年はその差が縮まってきているので、ハイブリッドが売れ筋になるのも近いかもしれません。
オデッセイ e:HEVとガソリン車、下取りが高いのはどっち?
オデッセイは、e:HEVとガソリン車のどちらが下取りで高く売れるのか、2020年11月現在の業者オークション相場から、2年後と3年後の下取り相場を比較してみました。(年間走行距離1万キロ前後で算出しています)
比較項目 | e:HEV アブソルート・EX | アブソルート・EX(ガソリン車) |
2年後の下取り価格 | 329.7万円(71.9%) | 313.0万円(82.0%) |
3年後の下取り価格 | 312.4万円(68.2%) | 237.2万円(62.1%) |
※カッコ内は当時の新車価格に対しての残価率です。
2年落ちのガソリン車の残価率が非常に高くなっていますが、中古車の流通台数が極端に少なく、たまたま非常に程度の良い個体だったためと思われます。
一般的には、残価率はe:HEVが有利と見てよいでしょう。
オデッセイ e:HEVとガソリン車のメリットは?
オデッセイ e:HEVのメリットは?
- ガソリン車よりも燃費が良く、ガソリン代が安くなる
- EV走行中はエンジンが始動しないので、ガソリン車より静寂性が優れる
- モーターアシストが加わって、発進するときの加速力が魅力
- 先行車に自動追従走行するアダクティブクルーズコントロールが付く
- エンジンとモーターとの切り替えが自然で違和感がない
- 100V AC電源のコンセントは、家庭用掃除機なども使えて便利
- 減税対象になるので、経済的に嬉しい
- Co2排出が減らせて、環境に優しい
- ストップ&ゴーの多い走行での燃費に優れる
オデッセイ ガソリン車のメリットは?
- e:HEVに比べておよそ70万円~76万円価格が安い
- アクセルを踏んだときの違和感のない加速性
- 構造が比較的シンプルで、車体が軽い(スポーティなドライビングを楽しめる)
- 比較的シンプルな構造なので、修理コストが比較的安い
- 高速走行で燃費が伸びる
オデッセイ e:HEVとガソリン車の欠点・デメリットは?
オデッセイ e:HEVの欠点・弱点は?
- 静かすぎて歩行者が気づかず、危ない(EV走行時)
- エンジンで加速した時の駆動音が安っぽい
- ガソリン車に比べて70~76万円ほど価格が高い
- 高速走行時の燃費が伸びない
- ハイブリッドシステムの構造が複雑で、修理コストが比較的高い
- 車体が重いので、運動性が鈍重
オデッセイ ガソリン車の欠点・弱点は?
- e:HEVに比べて燃費が劣る
- e:HEVに比べて駆動音がうるさい
- ストップ&ゴーの多い低速走行時は燃費が悪くなる
- アダクティブ・クルーズコントロールが付かない
- 税金の優遇が受けられない
- Co2排出が多く、環境に優しくない
- エンジン始動時の振動が大きい
買うならオデッセイ e:HEVとガソリン車どっち?
ここまでオデッセイのe:HEVとガソリン車を比較してきましたが、購入費&維持費のトータルコストを安くしたい場合は、ガソリン車がおすすめです。
e:HEVは燃費でこそ有利ですが、新車価格の差をガソリン代で埋めるためには年1万キロ走行で約20年もかかるためです。
20年も経てばライフスタイル=車の用途・ニーズが変わって来る可能性もあります。
また、モーターの独特な走行フィールよりもガソリンエンジンのダイレクト感を好むユーザーも多いです。
ただし、e:HEVの静粛性とモーターならではの太いトルク、そして好燃費によるランニングコストの安さや購入時のエコカー減税など、e:HEVならではの魅力もたくさんあります。
一台の車を乗りつぶすスタイルであればガソリン車との差額も埋められますし、長く乗るほどe:HEVの方がお得になるでしょう。
短期的なトータルコストの安さでガソリン車を選ぶか、e:HEVの魅力をとるか、このページをオデッセイ購入の参考にして貰えればと思います。
ちなみに、管理人ならガソリン車を選びます。
これまで5年周期で買い替えているので、短期コストの重視はもちろん、装備や走行性など、ガソリン車ならではの恩恵を享受したいためです。
とは言え、実際にオデッセイを運転すると印象が変わってきたり、一目惚れしたりすることもあるので、まずはディーラーでオデッセイのe:HEVとガソリン車の両方に試乗して、じっくりと比較検討するといいでしょう。
下取り車があるなら、さらに新車が安く買える
新車を買うなら、購入価格も気になるところではないでしょうか。
もし下取り車があるなら下取り車を高く売ることで、トータルで新車を安く買うことが出来ます。
実は値引きよりも下取り車の方が、新車を安く買うには重要なのです。
ディーラーで査定した下取り車の価格は、かなり低く見積もられています。
何故かと言うと、再販するにしろオークションに流すにしろ、人件費や車両保管、整備等の経費がディーラーの場合非常に多く掛かってしまいます。
そのため、下取り車の査定金額は低くなってしまうのです。
反対に買取専門店なら、買取った中古車を在庫させずに、すぐにオークションに出す事が出来るので経費がディーラーより掛かりません。買取専門のため余計な経費は掛けないので、その分査定金額は高くなります。
この買取店の金額とディーラーの査定額を比較すると、平気で20万円以上安く見積もられる事があります。
ただ、自分の車の相場が分かっていないと、ディーラーの査定額が高いか安いかの判断が出来ません。
そこで、管理人が毎回利用するのが一括査定の「ナビクル車査定」です。わずかな入力時間ですぐに自分の車の買取金額が表示されます。
この時は、ディーラーで76万円で査定されたフィットシャトルが、上記のように最高96万円の買取金額が付きました。
そこでディーラーに「買取店で96万円の金額がついている」と伝えた所、95万円までディーラーの査定金額がアップしました。
ナビクル車査定の買取金額をディーラーに伝えただけで、なんと19万円もアップしたのです。とても簡単なので、ディーラーの下取り金額をアップさせるにはオススメの方法ですね。
ちなみに実際に買取店に査定してもらった所、最高で108万円の金額を付けた買取店があったので、そこに売却しました。
どちらに売るにしろ、ナビクル車査定はオススメできます。
新車の納期が長い・新車が高いなら新古車も選択肢に入れてみる
ガリバーの中古車ご提案サービスなら希望する車種や条件、予算などを伝えれば、 ぴったりの中古車を無料で探してくれます。
なので自分で1台1台中古車を探したり、比較する手間や時間が掛かりません。
また、現在新車の納期が長いため中古車需要が高く、本当に程度の良いお買い得な中古車は非公開車両として中古車販売店に並ぶ前に売れてしまいます。
そう言った市場に出回る前の非公開車両も優先的に紹介してくれるので、よりお得な中古車を提案してくれるでしょう。
「燃費のいい車を探して」「予算50万以内で荷物を積める車を探して」と言ったリクエストも可能です。中古車探しで気になる事は、なんでも相談してみるといいでしょうね。
オデッセイの値引き交渉のノウハウはこちら
当サイト(クルマを買う!)のオデッセイ値引き交渉マニュアルです。これを見て多くの人がオデッセイを限界値引きで購入しています。
今月のオデッセイの値引き動向を随時掲載しています。ご参考ください。